YouTubeの明治学院大学チャンネルに興味深い動画が載っていました。雑誌「広告批評」の天野祐吉さん、アートディレクターの佐藤可士和さんという、広告・デザイン業界の中では有名な2人によるお話が2006年7月に行なわれ、2007年4月にYouTubeにアップされました。
で、今さらそれを見つけてきて聴講(?)したわけなんですが、25年間という過去の自分の人生を振り返って深くうなずけることがかなりあったので、今さらですが貼り付けて、感想を書いていきます。
もし読者さんの中に10代後半、特に新高校2〜3年生の方がいらっしゃいましたら見ておいて損はないかなと。
全部で6回に渡ってアップされているんですが、1回毎に思うこと、書きたいことが多いのでシリーズで書いていこうかと思います。
・「もったいない」という価値観、「みっともない」という美意識
動画中に「ご飯の米粒を残すのはもったいないのか、みっともないのか」というトピックがあり、どっちも表裏一体なような気がするんですが、天野さんは後者の「みっともない」というのは美意識で、これを強調しているわけなんですが、この一人一人が持っている「美意識」が「かっこ良さ」に繋がるとも言っています。
その「かっこ良さ」をもって大学を選べと言っているのですが、自分が高校時代のときに「かっこ良さ」を教えてくれる存在があまり無かった・・というのも、こんな私でも私立高校のトップクラスにおり、「偏差値」というのが唯一にして最大の基準で、それ以外のことはあまり教えてくれなかったのです。が、後々反省したのが「それはあまりに受身的姿勢すぎる」ということ。いろんな大学のオープンキャンパスなどに積極的に参加し、「あ、ここカッコイイ!」と思ったらいくら偏差値が低かろうがそこに入るべきだったな・・と今さらながら後悔しています。貴重な人生のうち4年間はそこで過ごすわけですから、ちゃんと自分の美意識に基づいて大学に入れればな、と。
・レッテルでモノを判断する=「カッコ悪い」という天野さんの美意識
天野さんのトークで「東大だから行きたい」(←東大は権威だから)というのがカッコ悪く見えた、という話がありますが、これも後々今さら気づいて「そうだよなぁ・・」と思いました。進学クラスにいると、高校生の権威=テストの結果や偏差値という風に偏って見がちになってしまっていたのですが、別にそれ以外の見方があっても良かった、というよりはもっといろんな大学(もちろん就職の選択肢もあり)を見て聞いて、中に入って自分の「カッコいい」という美意識と合致するものを選べ、という感じで解釈しています。
・一品、二品、三品、そして別品=「べっぴん」
動画中「べっぴん」の語源について語られていますが(別嬪・別品(べっぴん) - 語源由来辞典も参照)、中国の品評会で一番良いものを上から順に「一品」「二品」・・・という風に言うらしいのですが、それのいずれにも当てはまらないものを「別品」と言ったそうです。これも偏差値感覚で計ると東大、京大をはじめとする旧帝大、早慶、関関同立・・みたいなところでしょうか。それを含む含まないに関わらず、天野さんは自分にとって「別格」なところを探し、それが明治学院というところを自分の美意識をもって選んだということ。これも大事だなぁ、とつくづく思いました。
ということで一旦切って、次回に続きます。