上記記事を読んでいて納得、共感しつつ、ネットの世界で成功したビジネスモデルとかを振り返っているところです。
で、振り返れば振り返るほど「なるほど確かに」と思える点も多かった。
日本の自動車メーカーや食品メーカーが海外展開するとき、社名や商品名を変えることなど恐れず、時にはデザインや味付けを変えてまで進出することがある。インターネット・サービスにも同じことが言えるのではないだろうか。(中略)
ついつい、われわれは新しいサービスを求めてしまうのが性(さが)だが、どこかの国の、どこかの会社のサービスの「コピーキャット」だったとしても、ローカライズという味付けをうまく施して、人々に受け入れられれば、それは一つの立派な成功ベンチャーである。
で、真っ先に思い起こすのがmixiでしょうかねやっぱり。
他社のサービスでは、コミュニケーションの面で充実したものがありませんでした。Friendsterにも日記、コミュニティはなく、簡単な掲示板や人の推薦文機能がある程度です。mixiは身近な友人や知人とコミュニケーションできたり、自分にとって興味関心のあることについて情報交換ができたりするサービスを目指していました。そのコンセプトが日記、コミュニティ、足あと機能として実装されていったわけです。
なぜmixiはこれほど成功したのか--笠原社長が明かす開発秘話(CNET Japan)
当時アメリカで流行っていた“Friendster”などのSNSに行った独自の味付けが足あと機能や日記・コミュニティなどの「コミュニケーション」だったというわけで。
次、ニコニコ動画。
ニコニコ動画のコメントだけを抜き出して、「これってナレッジベースとしてどうなの?」となると、単なる役に立たないデータ。役に立たないからって価値がないかというとまたそれは別の問題で、それはそれで面白い。
弾幕とかって役に立たないんだけど「その場面を役に立たなくする」ということ自体が面白い。そういう無駄を楽しむという方向は他の会社はやりたがらないと思うので、そういう方向でやっていきたいと思ってます。
YouTubeなど、動画共有というのは既にあったのですが(以前はYouTube使ってましたが)それに「コメントできる」という味付けを施して、「弾幕」(コメントの嵐)で面白くないものを面白くしてしまうという発想、そして現在ではニコニコ市場にもネタな商品が並んで「市場自重wwww」とか言われながらも1日に5千点も売れて、大きな収益源となっています。
最後はOKWave。
ネット上の掲示板やフォーラムで質問したところ「聞き方が悪い」とネット上で怒られ、「アーカイブの意味を教えてほしい」と書き込んだら、「そんな意味もわからないのか」とやり返され、最後には「出て行ってくれ」とまで書かれる始末でした。
それで、困っている人に善意を持って回答し、お互い助け合えるような場所や仕組みがネット上で必要だ、と考えたのがこのビジネスのきっかけです。
掲示板サイトなんてものは日本でも世界でもどこにでもあったのですが、「善意」「愛」さらには「平和」みたいなもんが足りなかったのでそれを付け足した、その結果現在のOKWaveのような掲示板のコンセプト、インターフェースになったということじゃないですかね。
上記の3サイト、ありふれたウェブサービスに「独自の味付け」を加えればユーザーが多く集まる魅力的なサイトになる、という例を紹介しました。新しいサービスが出てくればもちろんそれはそれで面白いですが、既存路線に「プラスアルファ」でもやり方によってはうまくいくんだな、と感じました。
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