コムスン事業所の新規・更新、2011年末まで認めず(Yahoo!ニュース)
<コムスン>不許可…「現場に影響大きい」利用者ら不安(Yahoo!ニュース)
コムスンの樋口公一社長が辞任=グッドウィル(Yahoo!ニュース)
その「功」と「罪」の側面を見てみようかと思います。
功罪の「功」の部分
いろいろ不正が出ているコムスンですが、介護保険に貢献したことはあります。挙げるとしたら、介護保険が始まった2000年に「CMをバンバン打った」ということでしょう。
「お役所仕事の延長線上のくせにCMを打つなんてけしからん!」という声もありそうですが、介護保険の認知度向上に一役買ったというのは事実です。介護保険制度がはじまったときに、全国の人たちに「介護保険という制度がある」ということを知らせる良い機会になったということ。
介護はサービス業。商品は「人」
ですが、一気に全国展開したは良いものの、「営利」が先行して考えた結果かどうか分かりませんが、採算が合わないところをバッサリ斬り捨ててしまったというのも事実。多くの事業所を閉鎖させてしまいます。じゃあ「閉鎖した地域の残された利用者はどうなるの?」って問題になるわけです。
介護はサービス業。サービスとして提供されるのは「人」なわけで、誤解を恐れずモノ的なプロセスで考えてみると、「現場で生産され、消費される」ということになります。つまり九州の利用者に北海道のヘルパーを・・・というのはできなくもないけど、現実的に無理ということ。
介護は「地域性」が重要
いきなり具合が悪くなったときに近くに病院はどこにある?買い物行くのにスーパーはどこにある?ということはもちろんのこと、万一利用者の容態が悪くなり緊急通報が掛かってきたとして、ヘルパーステーションが利用者から遠く離れた場所にあったらどうでしょうか?一分一秒を争うときに、事業所が遠くにあったりしたら、と考えると・・。もしものときを考えて危ないですよ、と。
儲からないようにできている
で、介護保険事業単体(→消費税の課税対象外)では儲かるような仕組みではありませんから、それ以外の分野で頑張らなければならないということでしょう。たとえばニチイ学館のような「スクール+介護保険」のように現場の仕事に直結できるようなビジネスモデルを構築しないと利益となる部分はなかなか厳しいんじゃないかと。
介護保険が儲からくなった背景の一つに、2006年に介護保険制度が改正になり、「介護予防」という制度ができたことあたりでしょうか。ウィキペディアの介護保険制度も併せて参照して頂きたいんですが、制度改正で要介護の人が要支援になったりするケースが結構あり、その際介護報酬がガタ落ちしてしまいます。初期の段階で多額の設備投資をしてしまったら、それを回収するのもなかなか厳しいと思われます。
儲かる仕組みが無かったらどこで利益を上げるのか?というところで不正請求に行き着いたのかもしれませんが、介護保険事業は「儲からない」し、「地域性が大事」ということです。。むしろボランティア精神ぐらいの気持ちがないとやっていけないと思います・・。
(そういう意味では株式会社でなくNPOという形態もありかもしれませんが、NPOは設立にやたらと時間なり手間なり掛かってしまうって問題点もあります)
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