早稲田のUI(University Identity)戦略。伝統を守った方がいいと思う私は古い？

元ネタ：早稲田大学ＵＩ戦略…「ハンカチ王子」の背後に校章ずらり(フジサンケイビジネスアイ)

上記リンクの斎藤佑樹投手(通称「ハンカチ王子」とか「佑ちゃん」)の写真の後ろにある「インタビューバック」。サッカーのインタビューとかではそこにスポンサーロゴとか入ってるあの部分に、早稲田の場合はちょっとおしゃれなロゴを入れています。

で、これは何だというと、マーケティングとかデザインの世界ではよく知られている「コーポレートアイデンティティ(CI)」の大学バージョン、「ユニバーシティアイデンティティ(UI)」導入の一環なのだそうです。

以下、枠内は元ネタからの引用です。

インタビューバックの経済効果について村上課長は、知人のＰＲ会社関係者から個人的見解として「全国的な知名度の高い斎藤投手や福原選手の背景として、テレビや新聞、雑誌などで全国の人の目に触れたことは数千万円の宣伝効果」と聞かされた。

と、ロゴの露出効果で宣伝になるのはなかなかお得だと思います。これは納得。

さて気になる志願者だが、０７年度入試には１２万５６４７人とここ数年で最高となった。「文学部や理工学部の再編の影響による上積みが最も大きな要因」と “佑ちゃん効果”を否定。「受験生は有名なスポーツ選手がいるからという理由で単純に志望大学を決めるわけではない」と分析する。

うーん。これは「佑ちゃん効果」と思うんですが。
特集　平成19年私立大入試　志願者動向分析(パスナビ)のデータを見ると、早稲田の倍率と関大の倍率だけ異様に上がっていますし、受験当時の関大はそりゃもう高橋大輔と織田信成のフィーバーだったんじゃないかと思いますが・・。

今後について「志願者はこれまで大学を偏差値を基準に選んでいた。校風に魅力を感じて入学するわけではなかった。しかしこれからは少子高齢化を迎え、大学全入時代になるため、志願者がじっくりと選ぶことができる。今後は校風に賛同できる人にきてほしい」と新たなブランドを構築して勝ち残りを目指す。

えー？マジすか・・私の受験時代(6年前ぐらいか)は「早稲田じゃなきゃダメだ！」って人が多かったんですけどね。いろんな面白い人が集まってくるまさに「人種のるつぼ」的なところに惹かれて志願する人が多かったです。これは結構前、私の親の世代あたりから続いていたという話も聞いたことがあるんですが。ロッテの小宮山悟選手なんかもそうですよね。自力で早稲田に入るために2浪しています。
ＯＢ・ＯＧインタビュー(早稲田大学)

　「これからのグローバル時代に通用する地球市民を育成するためにはこれまでの『在野精神』『バンカラ』は通用しない」と建学の精神にまで言及。卒業生や在校生などからは物議を醸しそうだが、「在野精神は体の中に流れている。世界を相手にするにはスマートさが必要」として、「インタビューボードはスマートさを示す」と位置づける。

うーん。これもグローバル時代だからこそ日本人らしさを出した方がいいのじゃないかなあと思います・・。もちろん在野精神やバンカラ自体は今のスタイルとは逆行しているとは言え、伝統ある早稲田の建学の精神、これを軸にしてその中にスマートさを潜めた方がUIとして認知されやすい(その分構築が難しいけど)んじゃないかと思うのは私だけでしょうか・・。伝統のあるところは伝統を重んじ、あまり伝統がないところには新しさを出していくみたいな感じがなんとなくUI戦略としてしっくり来るように思うんです。

と、ちょっとネガティブな意見ばかり続いてアレなんですが、伝統守った方がいいよ・・と思いながら、以下の質問を見たときに「ああ、これかな」と自己完結しかけました。
どうして早稲田は嫌われるのはなぜ？(教えて!goo)

スーフリなどのスキャンダルでマスコミなどに叩かれる要素も強かった。もしかするとそのネガティヴなイメージを払拭しようという企業努力(大学努力？)のためのUIなのかもしれないですね。

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