さて、この本のレビューも最終回になりました。全10章構成なのですが、第7章あたりからはおさらい的な要素が入っているのです。
何度も繰り返し言うことで、頭の中に「これは大事なことなんだな」ということが植えつけられる・・一種の「習慣」(第4章)が確立されるという意味合いもあるのかな、という気がします。
第9章「逆境から学ぶ」を読んで
小さな仕事上のトラブルから愛する人の死まで、生きている限りはさまざまな逆境が発生すると思いますが、そこが(悪い意味での)人生のターニングポイントになってはならない、ということがこの章の序盤に書かれています。
「あぁもうダメだ」「何もかもうまくいかない」。そういうときこそ、基本に戻るべし、ということです。この本で言う「基本」ですから「高い自尊心を持ちつつ、夢を細分化して行動指針に落し込み、自分のためになることの習慣を確立・・」という若干ハードルが高い基本。
本当に辛い逆境が存在しても、第3章でも書かれているように「ポジティブになる」ことでしか逆境をバネにすることはできないという感想を持ちました。その唯一の方法は「精神的にタフになる」ということ。
・・このことを考えていると、ふとこのブログにたどり着きました。
そんな絶頂の直後、運命の2006年の1月23日を迎えました。
その日はライブドアの堀江前社長(※当時)が逮捕された日でした。
そんな世間の混乱の片隅で、私は病院で余命宣告を受けました。
それから、出口の見えない絶望が続きました。
「いつ死んでしまうかわからない状態では、何をやっても成し遂げられる保証がない。それでは、何をやっても意味ないじゃないか。」
そういう思いを拭えませんでした。
しかし、数日、絶望を彷徨った後、強いパワーが沸いてきました。
その源泉は2つの思いでした。
・ 「今の医療が直せない病気なら、てめえの病気はてめえで治してやろうじゃねーか。」
・ 「例え病気は治せなくて死んでしまったとしても、そのことで意味があるものを残せるはずだ。」
実はこのブログもその一環です。
もう亡くなってから数年経ちますが、生きている間は物凄くテレビ等のメディアに出演し、生と死の間をさまよっている感覚を全く見せなかった・・そういう印象がありました。
「数日」の絶望の後、残された人生をポジティブに生きたその姿は見習う価値があるかもしれませんね。
第10章「成功した後で生き残る」を読んで
仮に1〜9章のステップを踏みつつ、自分なりの創意工夫も交えて「成功」という境地にたどり着いたとしても、その成功をキープする方が難しいのではないでしょうか。
・ダイエットなら減量後、リバウンドをしないために何をするか?
・プロスポーツなら優勝後、常勝軍団を作り上げるために何をするか?
・ビジネスなら、一度シェア1位になったら、2位以下を引き離すために何をするか?
もうお分かりの方もおられると思いますが、常に改善点を見つけて努力する、その循環を作っていくことが重要ではないでしょうか。
第1章〜第10章 まとめ
この本で書かれている「成功」に至るまでの道のりは怠け者の私にとってはかなり厳しく書かれているように思えました。
が、厳しいと言ってもその厳しさに対処する方法はあるのです。それをまず細切れにして、問題点を少しずつ洗い出していくことが大事。その上で、一個一個目標を設定して、出来ないことはその原因を洗い出して次の糧にすること、それを習慣付けることで成功への道のりが開けてくるでしょう。
そこに自分で「できる!」と言い聞かせる自尊心を持つことでさらに高みへと押し上げるのですが、慢心することなく常に自尊心を最大限に発揮できる環境をキープするのが大事なのではないでしょうか。好循環を習慣付けてムラを無くし、成功を持続させることこそ著者の言いたかったことではないでしょうか。
章別リンク
第1章「自尊心を高める」、第2章「高い目標を設定する」
第3章「常にポジティブでいる」、第4章「良い習慣を確立する」
第5章「コミュニケーションの技術を習得する」、第6章「ロールモデルから学ぶ」
第7章「プレッシャーの下で活躍する」、第8章「徹底的に粘り抜く」
第9章「逆境から学ぶ」、第10章「成功した後で生き残る」
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