大学時代に師事していた「ケーブルテレビ・未来の記憶」の著者、佐野匡男氏の話題の中で、「もうテレビも地上波だけじゃなくて、BSデジタルもあるし、ケーブルもある。さらにCS(スカパー)もあるでしょ。生放送でこれだけある。プラスして、YouTubeは録画放送だけど、動画の数からするとかなり膨大な量になって、これはもう多チャンネル化どころの騒ぎじゃないよね」という話が2005年〜2006年頃に出ていました。
それから数年経った今、Ustreamの存在で、誰もがスマートフォン/ネットブック1台で手軽に放送できてしまうという、生放送まで多チャンネル化してしまう現象が起こっています。Ustreamも今年大ブレイクしたサイトの一つ。その動きを追っていきます。
2009年12月 iPhoneでUstreamの配信が可能に
なぜUstreamがこんな爆発的に広がっていったか?それはiPhoneでUstreamを配信できるようになったから、というのも一つあるのではないでしょうか。やはりネットブックはカメラ内蔵とは言え、通信するのに敷居が高いようにも感じました。スマートフォン1台さえあればどこからでも生中継が可能になったというのは大きいと思います。
[参照記事]
iPhoneからやっとビデオストリーミングを送れるようになった―Ustream Live Broadcaster
この頃から既にUstreamで動画を配信中にTwitterでメッセージを送り、Ustreamでやっている中継を広める機能があったので、iPhoneで配信してTwitter経由でたくさんの人に見てもらうというモデルがありました。
2010年2月 ソフトバンクがUstreamに出資&決算説明会配信
これは個人的にサプライズニュースでした・・・それに加えてソフトバンクは決算説明会をUstream上で行いました。決算説明会は基本紙ベース・・WebではPDFが主流だったのですが、その枠を飛び越えて「リアルタイム動画配信」。ツイッターもやっていたということなので、それに対するレスポンスも活発だったのだろうなと思います。IR(Investor Relations)の積極的なお手本になるかもしれません。
[参照記事]
ソフトバンク、Ustreamに18億円出資 - ITmedia News
2月 東京マラソンで、ランナーがUstreamを使いながら完走
Ustreamの面白いところは、リアルタイムで映像を共有できること。2月に開催された東京マラソンで、ジョセフ・ティムさんがコースを走りながらUstreamで中継。ゴール時には1,500人のユーザーが見守っていたそうです。“congrats!”のコメントがたくさん並んだのではないでしょうか。
[参照記事]
走りながらUstream配信 東京マラソンに“実況ランナー” - ITmedia News
3月 「Ustreamスタジオ」オープン
ソフトバンクがUstreamに出資したことで提携がスムーズに行ったのでしょうか、Ustreamの配信ができるスタジオが、ソフトバンクのある汐留にオープンしました。審査さえ通れば利用料は無料。小規模のイベントを中継するのに良さそうです。
[参照記事]
ソフトバンクがUstream専用スタジオ 利用は無料 - ITmedia News
4月 日本語バージョンがスタート
これまで英語だったUstreamが日本語に対応しました。英語版時代から使っていたものの、やはり日本語版になると親近感がわきます。
[参照記事]
Ustreamが日本語化 - ITmedia News
5月発刊のUstream本
USTREAM 世界を変えるネット生中継 (ソフトバンク新書)
5月 「Ustream Asia」スタート
ソフトバンクとUstreamの合弁会社「Ustream Asia」を設立。Ustreamが日本のみならずアジア展開するという方向性を示しているのでしょうか。併せてUstreamのiPhoneアプリが日本語に対応することも書かれています。
[参照記事]
ソフトバンク、Ustream Asia設立 iPhone向けUstreamアプリ日本語化 - ITmedia News
タグ:Ustream