私の住んでいる石川県金沢市から京都まで、「サンダーバード」という特急電車を使えば2時間で行けます。
その一方、石川県の北端にある珠洲市までは、アクセスに3時間以上かかります。なぜか?足が車しかないのです・・。
奥能登の過疎
石川県は能登半島の北側、珠洲市・輪島市・能登町・穴水町を奥能登と言うのですが、ウィキペディアより、1980年から5年ごとの人口推移をグラフにしてみました。
市町村合併はしているものの、人口は右肩下がりで過疎が目立ちます。
のと鉄道能登線切り捨て
そんな過疎に追い打ちをかけたのが、2005年、のと鉄道能登線の廃止ではないでしょうか。現地住民の声をほぼ無視して「1億を超える赤字だから」という理由で、ポイっと切り捨てられました。
これにより、奥能登への交通手段がバスしかなくなり、そのバスの本数も今や数えるほどしかありません。その一方で能登空港が建設されましたが、フライトは1日2便。しかも場所がとても中途半端なところにあるせいで、地元住民にとって利便性はあるのだろうか?と考えてもどうもピンときません・・。
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そしてストロー現象へ
奥能登で暮らす若い人たちにとっては、能登空港ができたということで、
都心へ行きやすくなった
→首都圏なら自分のやりたい仕事も見つかる
→人口が流出してしまう
という事態(ストロー現象)になりかねません。特に人口が少ないところの場合、各種産業の公共事業依存率も高く、魅力的な産業も創出できない確率も高くなってきます。
奥能登は何度も行っているのですが、自然と触れ合い、自然とともに生きるような、都会の人から見たら憧れるような田舎生活が出来ますし、それだけの観光資源も豊富。食べ物もとてもおいしい。交流人口は増えてもおかしくはないはずなのです。
桑原さんの街宣からの引用です。
残念ながら能登線がいとも簡単に廃止をされた後、穴水の駅に降りても、能登空港に降りても、その先を繋ぐ公共交通がございません。穴水はまさに2つのこの空港と駅の町でございます。一番発展の契機をつかめる町です。新しい交通システムをこの穴水を中心にして、奥能登一帯を回遊できるような形で再生していかなければならないと思います。
桑原ゆたかblog 「歩きながら考える」 2010年2月17日 街頭演説・穴水より
県が観光に注力し、きっちりと奥能登の存在感をアピールしていけば、自力再生も不可能ではないはずです。これからの石川県、奥能登の発展もまた、見守っていかなければなりません。