「自己啓発」ジャンルの2発目はこの本です。著者のMarci Shimoffさんという方はいろんなところで自己啓発セミナーを開催しているコーチ。その方が書いた本を脳科学者・茂木健一郎さんが訳したもので、ちょっと面白い構成になっているような。コンビニで買ったんですがそのまま放置していたので、昨日の夕方〜夜にかけてザザザーっと読みました。
目次はこんな感じです。
1 「脳の使い方がうまい人」には7つの特徴があった!―日常生活で、仕事で、勉強するとき…脳のすごい力を引き出す方法
2 簡単で効果抜群の脳の「大そうじ」!―ワンパターンの脳から、いつも「刺激的」な脳へ
3 脳に「ポジティブな回路」をつくる法―毎日、脳に「毒」を与えている人、「良薬」を飲ませている人
4 「脳が一番喜ぶこと」を毎日する―こんな簡単なことに、なぜ気づかなかったのか!
5 食事・運動・生活…脳細胞が元気なら、何でも思い通りに!―タフな脳にする「夜十時ルール」
6 夢を楽々実現する、ハイパーエネルギーの秘密!―わけもなく楽しく、ハッピーな日々をつくり出す脳の力
7 眠っている才能を目覚めさせる脳の刺激法―あなたの脳の得意技を探す「ミニ・パッションテスト」
8 こんな人とつき合えば、脳はいい刺激を受ける―「アクビがうつる」ように、人の脳のレベルも伝染する
で、この本に書いてあるアプローチは実に多種多様。発想の転換に始まり、呼吸法から運動のすすめ、食事や栄養摂取、さらには瞑想や宇宙との繋がりを意識する(!?)、などなど・・。多くの実例、実験結果や論文を混ぜ混ぜして、脳の立場から紹介しています。
ラベルで茂木さんが「コペルニクス的転回になるかもしれません」と書かれているのですが、それも読み進めるうちになんとなく理解ができました。
で、この本に書かれていること全部を一気に実行してしまうと逆に脳がやられそうなので、「アプローチの引き出し」的な感覚で、一旦読んだ後も、改めて細切れに少しずつ書かれていることを実践していけば脳に必要な栄養が少しずつ足りてくるのではないかと。
で、「脳の栄養」って一体何者よ?ということが神経伝達物質とその作用と共に言及されているので、文系理系関わらず説得力のある文章になっているのもまた面白い。
茂木さんはよく「ドーパミン」について触れますが、その他にも「セロトニン」「GABA」「エンドルフィン」など、他にもいろいろな種類の神経伝達物質があり、それ一つ一つについての作用や、それによって「どうすれば脳が喜ぶか」ということも書かれています。
・・・ということが本書の中盤あたりに書かれており、序盤と終盤を「こうすればいい」的なアプローチ集で挟んでいるので、頭の固い…コンピュータ的な思考をする私にとっては真ん中あたりから読めばよかったかなと思います。
プラスして、最近たまに聞く「引き寄せの法則」についても触れられていました。端的に言えば「今自分にある幸せを感じる→望んでいるものが引き寄せられてくる」みたいな感じなのですが、これって実はミラーニューロンと関連しているのではないかという説も唱えられています。苦しんでいる人を見ると自分まで苦しくなってしまう…そんな条件反射的に起こってしまう共感みたいなものです。
本書の例で言うと「スーパーのレジで待っている人の後ろに急いでイライラしてる人がやってきた→順番を譲ってあげた→イライラしていた後ろの人の表情が一変した」みたいな、ほんと日常的なことにしても「あぁ、あるかもあるかも」と思ってしまいます。
周囲の状況が変わらないなら、自分が変わればいい。自分に心の余裕を持たせれば、相手のミラーニューロンがそれを察知してくれるかもしれない。人を幸せにするのなら、まず自分から幸せに。些細なことでも「ありがとう」「幸せだ」を忘れずに。そう著者が言っているのではないのかなぁ、と感じました。
・・・ってことを、本書を読み終えた後、著者のウェブサイトのタイトル“Happy for No Reason”を見て思った次第でございました。
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